冬・寒
どうも。持病の再発が私に再び訪れまして。
選択を迫られているところです。大きな選択というのは非常に気持ちが悪いですね。
ところで、今回ここに記す「雪降る思考とその回路」「アルデバラン」という2つの物語は暗いものです。
思い返せば私は悲しいお話が何処か好きな気がするんですよね。何故かわからないですけど、その暗いものの中にしかない美しさがあるんだと思うんです。
それを緩衝材で包んだようなものをつくりたいんです。
「若干悲しい夢を見たあとに目を覚ませば布団は暖かくて、再び幸せな気分で寝つける」みたいな。
それはどういう形であれ、悲観的なものも暖かさで終わるんです。それが好き。怖い夢は別ですよ。
さて、それぞれ詳しく記します。
「雪降る思考とその回路」については、これは寒くなってきた時期の夜、布団の中で彼女と電話中にふと思いついて書いてみたんです。恐らく生物学的?心理学的?に見て夜は恋愛思考が強いようで、こんな話は書こうとなんてひとつも思いませんでした。後半の自宅の部分は、元々は「拙い伝い」という題で別の世界を作ろうとしていたのですがうまくいかず、そこから持ってきて繋げてみたらいい感じになったという感じです。
作中「昔よく遊んだあのゲーム」は、私の中では「とびだせどうぶつの森」の冬の音楽を思い浮かべて書きました。すごく懐かしくて切ない気持ちになるんですよあれ。誰しもがそういうのを持っていて、あることをきっかけにそれをふと思い出すということがあると思います。思い返しながら読んでみてください。
そして袋に入ったままのホッカイロ…
「貴方」は実はマヌケなんですかね。不器用さを出したくてこの文を入れたら、やりすぎましたねこれは。
ところでホッカイロとタイトルの回路、掛けてるの気づきましたか?
続いて「アルデバラン」。
これは彼女が私にくれた1枚の絵から誕生したお話です。「この絵で何か書いてよ!」
そうして誕生した訳ですが、初めは気に入らなかったです。自分で作ろうとして作った世界でないと上手くはいかないのかとも思いましたし、今でも微妙な心持ちのような気もします。しかしタイトルと女の子、この繋がりがどうも私は好きで。
考えてみてください。その繋がりは少し深いところにあります。
そしてこちらは短編の全て
・誰かの気まぐれ日記
・酒場脇寒光
・妖怪は思い出の
・田舎トラックとツキを喰らう鳥
・舞踏会
・昼夜
・眞惧カップ
・幽閉画家とその友達
・辿る標
・雪降る思考とその回路
ここまでが全てこの「アルデバラン 」に帰結するんじゃないかと思えてきました。つまり全てに繋がりが見えてしまったんです。これをこの短編集のゴールとも現実とも言うべきでしょうか。2022を締め括りました。
今年も残るところ僅かとなりましたが、皆様体調にはお気をつけてお越しください。
良いお年を。夜寝を投資を。